保険商品として成り立つか疑問だった。
T国さんは『コンビニをみろ。
高くても簡便であれば売れる』といい、私は『保険とコンビニは違う』と反論したが、結局、開発するという決定がなされた。
決まった以上は一生懸命つくった。
途中からはいけるかもしれないとの感触をもったものの、最後まで半信半疑であった。
新商品説明会でも宣定年齢以上なら誰でもはいれる』という商品のどこがよいのか、マスコミ側もよくわからず、日本初の三大疾病保険エトワや同じく日本初のノンスモーカー・健康優良体保険の説明会の反応に比べると、無反応に近かった。
それでも翌日の朝刊に小さな数行の記事が出た。
マーケットの反応はいまひとつだろうと思っていたが、9時前から電話が鳴り始め、その日一日中電話が途切れることはなかった。
その週だけで約3017.017.0本の電話をとった。
すべて記事をみたお客さまからだった。
電話をさばくのに手一杯でT園さんにこの反響を報告し忘れていたら、T画さんから電話があり一言、『大盛況おめでとう』。
電話の向こうで『だからいったろ』というT画さん顔が目に浮かんだ。
エトワのときもノンスモーカーのときも、マスコミに大きく取り上げてもらったが、お客さまからダイレクトに電話が入ることはなかった。
数多くの新商品開発に関わったが、あれほどの反響はなく、T園さんのマーケティングセンスにはかなわないと思った。
この一件でやはり自分は専門職として新商品を開発するのがせいぜいで、マーケティングには関わるべきではないと思った。
この経験から上位職制にはつかない方がよいと本当に思っていた」。
ところが「私はライフプロダクト部長からプロフィットセンター本部長へ、ニューヨークで2年修行をしてこいといわれました。
いまにしてみれば、T園さんがそういう方法で、私たちを育成していたのでしょうね」。
逆に、T園がAIGカンパニーズ日本・韓国地域の生保担当のCOO(最高執行責任者)に就任するときには、T園は「K岡さんに『次の世代がチャレンジしたくなるように、ぜひ日本人として初のCOOを引き受けてほしい』といわれてようやく、決断しました」と、就任に踏み切った経緯を説明する。
T園は、Aリコジャパン、AIGSター生命、AIGEジソン生命という日本のAIG生保3社と、韓国で展開するAIGグループの生命保険会社を統括するNO1の地位に日本人としてはじめて就任した。
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